英:neoteny
ネオテニーは日本語では「幼形成熟」と訳されます。
幼生・幼体の特徴を残したまま性成熟する現象のことです。
ネオテニーの例
最も代表的なネオテニーの例はウーパールーパーです。
ウーパールーパーのような両性類は、通常であれば幼生の間は鰓を持ち水中で暮らしますが、変態を経て成体になると肺呼吸に切り替わります。
しかし、ウーパールーパーは変態せず、大人になっても幼生のような見た目のままです。
これは単に成長が遅かったり、成長が途中で止まっているというわけではありません。
ネオテニーの場合、見た目は幼生のままでも性的には成熟しているため、成体と同様に交尾をして子孫を残すことが可能です。
ネオテニー=幼児化ということなので、野生で生きるには不利なように思うかもしれません。
しかし、ネオテニーは生存戦略の1つとして有効にはたらくことがあります。
ウーパールーパーの場合、鳥や肉食哺乳類などの天敵の多い陸地に上がるよりも、エサも豊富にある住み慣れた水中で一生を過ごした方が生き残る確率が高いためネオテニー化したのではないかと考えられています。

蛙色1号
ペットのウーパールーパーは稀に変態することがあります。
飼育下では脅威となる天敵もいないですしね。
人類ネオテニー説
爬虫類・両生類の話とは少し逸れますが、ヒトはチンパンジーや原始霊長類のネオテニーなのではないかという説があります。
ヒトとチンパンジーの子供には多くの共通点があり、また、遺伝子的にも近いためこのような説が提唱されたようです。
非常に興味深い学説ですよね。


