※当ブログはアフィリエイト広告を含みます

ツノガエルは初心者向けというステレオタイプはなぜ定着してしまったのか

ツノガエルブログ

ツノガエル、かわいいですよね!
私も現在アルビノのクランウェルツノガエルを飼育しています。
以前はベルツノガエルも飼っていましたが、こちらもまたクランウェルとは違ったかわいさがあって良いカエルでした。

ツノガエルは初心者向けと言われることも多いですが、実際に飼育してみるとなかなかそうとも言えないのではないかと思うようになりました。

スポンサーリンク

ツノガエルが初心者向けと言われる理由

ツノガエルが初心者向けだと言われる理由は、大きく3つあると思います。

安価で購入できる

ツノガエルは1匹3,000~5,000円で購入できます。
そのうえ、プラケース・温湿度計・床材の3つがあればとりあえず飼育することができるので、設備投資もそれほどかかりません。
すべて合わせても初期費用はトータル1万円もいかないと思います。

また、ツノガエルはランニングコストも非常に低いです。
そもそもエサの頻度が少ないのでエサ代は月100円もかかりません。

お金がかかる動物はそれだけで飼育を躊躇する大きな原因になると思います。
低コストで飼育できるツノガエルは懐に優しいため、初心者向けだと言われるのではないでしょうか。

メンテナンスが楽

ツノガエルは飼育環境がシンプルなので、掃除などのメンテナンスも非常に楽です。
プラケースに薄く水を張る飼育方法であれば湿度管理もする必要がないので、その点も他の爬虫類・両生類に比べて楽だと言われる部分だと思いますね。

エサの食いつきが良い

ツノガエルはエサへの食いつきが非常に良いと言われています。
さらに、ベルツノガエルやクランウェルツノガエルであれば人工飼料で終生飼育が可能なので、コオロギなどの生餌が苦手な人でも飼育が可能です。
この辺りも初心者向けと言われる理由だと思います。

ツノガエル飼育の難しい部分・注意すべき点

上記の理由を聞くと、やっぱり「ツノガエルは飼いやすそう!」と感じてしまいそうですよね。
しかし、実際に飼ってみると、これがなかなか難しいんですよ…。

電気代はケチるな!

ツノガエルは確かに他のペットに比べればお金のかからない方です。
しかし、意外と電気代のことを考慮していない人が多いように思います。

ツノガエルは変温動物なので、冬は暖房器具が必要になります。
ちなみに、両生類・爬虫類飼育者御用達のパネヒは、これだけでは十分に温度を上げきることはできません。
飼育部屋全体にエアコンをかけるか、それができないなら保温球などの保温器具をプラスしてケージを段ボールやプチプチで覆うなどの工夫をする必要があります。

温度管理はもちろん夏も必要です。
冬はいくらでも温める方法がありますが、夏なんてエアコンつけるくらいしか選択肢がないので、諦めて年中エアコン生活にした方が楽だと思います。

毎日の水換えは想像以上にしんどい

水張り飼育の場合、基本的には毎日水替えが必要です。
あんまり汚れてなさそうだし3日くらい換えなくても大丈夫じゃないの?と思うかもしれませんが、じゃああなたはお風呂のお湯を3日変えなくても平気ですか?3日前に汲んで部屋で放置したコップの水に口をつけられますか?

ツノガエルに限らず両生類は皮膚から水を吸収するので、水質の汚染には非常にシビアです。
水が汚れたままだとたちまち自家中毒を起こして弱ってしまいます。

私は毎日の水換えは不可能だと判断したので、早々にソイルを使った土壌飼育に切り替えました。 ただ、これはこれでソイルに潜りっぱなしでカエルの様子がまったく観察できなくなるので、初心者は不安に感じると思います。
なにより、せっかくのかわいいカエルの姿が拝めなくなるので、飼育の楽しさ半減です。

普通に拒食する

エサ食いが良いなんて言われますが、ツノガエルは普通に拒食しますよ。
体感的にベルツノはまだマシなのですが、クランウェルはまあまあ拒食しますね…。

「拒食するのはお前の飼い方が悪いからだ」と言われればどうしようもありませんが、Googleで検索してみればペットのツノガエルがエサを食べなくて悩んでいるみたいな書き込みがたくさんヒットします。
この人たちの全員が飼育環境を悪い状態にしているとも思えません。
拒食になった際に飼育環境の見直しなんて真っ先にやるでしょうし、そもそもツノガエルの飼育環境なんてシンプルすぎるくらいなので、あえて悪くするのも難しいというか…。

ということで、特に飼育者の落ち度がなくても、拒食する時はするのだと思います。
初心者が飼うのであればなおさら、「ツノガエルは拒食するものだ」と考えておいた方が良いでしょう。
拒食になんてなるわけがないと安心しきっていると、いざ拒食状態になってから非常に焦ることになります。

蛙色1号
蛙色1号

正直、我が家で拒食するのはツノガエルくらいなんですよね。
エサ食いが良いとはなんだったのか…。

エサの量・頻度の見極めが難しすぎる…

ツノガエルは非常に代謝量が少ないので、エサやりの頻度が低いです。
また、1回の給餌量もそれほど多くありません。
特に練り餌などの人工飼料は発酵しやすく、与えすぎるとお腹にガスが溜まってしまうので、やや少なめを心掛けた方が良いです。

エサの頻度が少ないなんて楽でいいじゃん!と思うかもしれませんが、頻度が少ないと今度はいつ・どれくらいエサをあげるべきなのかという見極めがかなり難しい…。

個人的には、ツノガエルのエサやりはサボテンの水やりに近いように思います。
ツノガエルのエサやりが簡単だと思う人は、自分にサボテンがちゃんと育てられるのか1度考えてみてください。
私は今までまともにサボテンを育てられたことがありません。
何度かチャレンジしてみましたが、水をあげすぎてブヨブヨに根腐れするか、あげなさすぎて枯らすかのどちらかのパターン…。

寿命長いけど大丈夫?

ツノガエルは寿命が長い生き物です。
5年も10年も世話することになりますけど、本当に大丈夫?最後まで面倒見れる?ってことなんですよ。

飽き性の人には寿命の長いペットは向いていません。
飼い主が飼育に飽きてくると、管理が雑になって飼育環境が悪化しやすくなるので、そうなるとツノガエルにとっては危険な状態になります。

また、自身のライフステージの変化についても、飼育を開始する前に考慮しておくべきですね。
例えば、1人暮らしをしている人が実家に帰るとなった場合、家族にカエル嫌いがいればツノガエルの飼育を継続するのは難しいかもしれません。
会社の社員寮がペットNGだったら?結婚相手がカエル嫌いだったら?

10年もの時間があれば、人生にもいろいろな変化があるはずです。
すべての可能性を想定しておくのは難しいかもしれませんが、なるべく最後まで同じ飼い主に世話してもらうのが、ツノガエルにとっても飼い主にとっても良いのではないかと思います。

初心者向け・上級者向けというカテゴライズ自体がナンセンス

初心者がどういった人々のことを指すのかということですが、個人的には「知識や経験のない人」という意味だと思っています。
両生類の知識や飼育経験のまったくない人にツノガエル…これはなかなかリスキーです。

両生類に関する知識がない人が、いわゆるイヌ・ネコのようなペット動物と同様にツノガエルを飼おうとすれば同然失敗します。 温湿度管理やエサ頻度などの最低限の知識は必要です。

それに、カエルって表情やしぐさから体調の変化を読むのが非常に難しいです。
ある程度飼育経験のある人なら肌の質感や目の開き具合などの微妙な変化で気付いたりできるのですが、飼育経験のない人はそもそも健康な状態のツノガエルがどんなものかもよくわからないと思うので、それと比べてどうって判断をするのは無理だと思います。
なので、カエルの微細な変化に気付けず、「昨日まで普通だったのに急に死んじゃった!」っていう状況に陥りやすいんです…。
「ツノガエル 突然死」というワードで検索すると非常に多くの事例が出てくるのですが、プロに言わせれば本当に突然死ぬということはあり得なくて、絶対にその前に原因や不調のサインというのはあるのだとか。

ただ、飼育経験者しか飼えないとなると、誰も1匹目を飼えないということになってしまいます。
それはさすがに言い過ぎなので、きちんと予備知識を得た上で飼うというのは全然OKだと思いますね。
偉そうに色々書いちゃってますが、私もまだツノガエルを飼うのは2匹目なので、飼育についてはまだまだ模索中です。
初心者かどうかというのはあまり関係なく、常に情報収集や飼育環境の向上に努めることができる人はツノガエルを飼う資格があると思います。

逆に飼育経験が豊富と言いつつも、たいして管理せずにすぐ殺しては次を飼って…を何年も繰り返しているような人もいます。
初心者なんかよりもこういった自称上級者の方がよっぽどタチが悪いです。

本当にツノガエルが好きな人しか飼ったらアカン!

ツノガエルは簡単!初心者向け!みたいな飼育を促すような記事ばかりが溢れかえると、安易に飼いはじめる人が増えて無駄死にするツノガエルも増えてしまうのではないかという点がちょっと心配で、今回はこのような記事を書いてみました。
SNSなどではいわゆる「映え」を狙った投稿が多いので、基本的には陽の部分しか見えません。
しかし、実際に飼育するとなると、見えない陰の部分というのが非常に重要になってきます。

私もツノガエルを飼っていますし、飼育者が増えること自体はいいことだと思うんですよ。
ただ、たいしてツノガエル好きでもないのに「SNSで見てちょっと飼いたくなっちゃった!」「簡単そうだから飼ってみようかなー♪」みたいなノリの人はやめておいた方がいいです。

アクセサリーみたいに飽きたからメルカリで出品みたいなこともできませんし、もちろん捨てることも許されません。
ツノガエルは爬虫類・両生類の中ではメジャー種ですが、ペット全体で見ればまだまだマイナー。
イヌ・ネコのように保護団体や譲渡会などもなく、近場で新たな飼い主を見つけるというのも非常に難しいです。

それに、ツノガエルなんてあまり動きもせずハンドリングもできないので、たいして好きでもない人が飼っても単純につまらないと思います。
それなら同じ値段を出しておいしいものでも食べるか、ゲームソフトなどを買った方がいいです。

ではどんな人ならツノガエル飼育に向いているのかというと、ツノガエルが家にいるだけで幸せを感じられる人です。
本当にツノガエルが好きなら、多少大変なことや難しいことがあったとしても、カエルのためだと思えば乗り越えられます。
私がサボテンは枯らしてもツノガエルの飼育は継続できているのも、カエルが好きだからです。

蛙色1号
蛙色1号

私くらいのカエル狂になると、ツノガエルの姿が直接確認できなくても、ソイルの盛り具合いがちょっと変わってるだけで生きてることが実感できて嬉しい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました