
英:Cask
カメレオンなどの爬虫類の頭部にある突起をカスクと呼びます。
カスクの役割
カメレオンのカスクが大きく成長した理由には諸説あります。
異性へのアピール
野生の世界では単純に大きさ=強さと考えられることが多いです。
個人的には、これは割としっくりくる説だと思います。
同じカメレオンでも種類によりカスクの大きさはかなり違いますよね。
カスクがそれほど大きならないカメレオンの場合、体色がカラフルだったり、ツノが生えていたりとカスク以外のアピールポイントが多いように思います。
脳を守るため
カメレオンは他の爬虫類に比べると、目が大きく発達していますよね。
脳に損傷を受けると視力などにも影響が出る恐れがあるため、そのリスクを下げるためにカスクが大きくなったのではないかと言われています。
ただ、個人的にはこの説はあまりしっくりきません。
前述したように、カスクの大きさは種によりかなり異なります。
カスクの小さいカメレオンは目が小さいとか、視力を失ってもかまわないということはないですよね。 それに、カスクの大きさが生存率関わっているのであれば、産む性であるメスの方がよりカスクを大きくするべきだと思います。
しかし、実際にはオスの方がカスクが大きくなる傾向があります。
体温調節のため
大きなカスクは体温調節に役立っているのではないかという説もあります。
暑い時はカスクから熱を放出し体温を下げ、寒い時はより多くの日光を浴びることで熱を吸収し体温を上げているのではないかとのことです。
体温調節のために体の一部が大きくなっている生物は他にもいます。
有名なものだと、フェネックギツネなどです。
効率よく水分補給をするため
カスクの大きく成長するエボシカメレオンの生息地は、降雨量が少なく湿度の高い地域です。
そのため、水たまりなどから水を直接飲むことはなく、葉の表面に付着した朝露などを舐めることで水分補給を行ってます。
カスクがあれば、カスクの先端を使って朝露を集め、それを口元に流すことで効率よく水分補給できるのではないかと考えられています。
トンデモかと思いきや、これは意外と理屈の通った説です。
というのも、エボシカメレオンの顔をよく見ると、確かに目の上に土手のような筋があり、その間が水の通り道のようになっているんですよね。
カスクの大きさの違いも、食性や生息地によるものだと考えれば納得できます。
果実や小動物などの水分の多いエサが豊富に食べられる環境や、雨の多く降る地域に住むのであれば、それほど水分補給に必死になる必要もありませんからね。

ただ、目の間の溝自体はカスクの小さいカメレオンにもあるんですよね。
うーん、謎…。

