クリプトスポリジウムは寄生虫の一種です
略してクリプトと呼ばれることもあります。
クリプトスポリジウムの宿主はヒトなどの哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類など幅広いです。
爬虫類は特にクリプトスポリジウムの影響を受けやすいと言われています。
その一方で、両生類での感染報告はあまりありません。
クリプトスポリジウム症の症状
爬虫類がクリプトスポリジウム症を発症すると、食欲不振や下痢・軟便、胃炎などの症状を引き起こし、徐々に衰弱し死に至ります。
ヒトやイヌ・ネコなどの哺乳類の場合には、クリプトスポリジウムに感染しても無症状のケースも多いです。
また、発症しても食中毒のような症状が1週間程度続くだけで後遺症などもありません。
感染ルート
WC個体であればショップに入荷された時点ですでに感染していることもありますし、このような感染個体からメンテナンス器具などを介して別個体に感染が広がることもあります。
感染源は感染個体の糞便です。
また、クリプトスポリジウム症は爬虫類にとっては非常に恐ろしい病気ですが、哺乳類には悪影響の少ない病気です。
そのため、飼育下ではイヌ・ネコなどのペットから爬虫類へクリプトスポリジウムが感染する可能性もあります。
クリプトスポリジウム症の治療
残念ながら爬虫類のクリプトスポリジウム症の治療方法はありません。
発症した場合は栄養剤の投与などの対症療法を行うしかありませんが、1度クリプトスポリジウムに感染すると完治することはほとんどなく、そのまま死んでしまうケースがほとんどです。
衰弱が酷いと病院へ連れていくことさえ大きなストレスとなり命にかかわるため、自宅療養を余儀なくされることもあります。
その場合には、以下のポイントを参考にお世話をしてあげてください。
お世話のポイント
- ケージ内は常に清潔を心がける
床材はペットシーツなどを活用し、下痢や吐き戻しの際にすぐに交換できるようにしておくと◎ - 健康個体との隔離を徹底し、メンテナンス器具も専用のものを用意する
- ハンドリングなどのストレスのかかる行為はNG
- 固形のエサは避け、ペーストや流動食を与える
ビタミン剤などのサプリメントの投与も行うとなお良し
クリプトスポリジウム症の予防
クリプトスポリジウムは感染個体の糞便にまざって体外に排出され、新たな感染源となります。
爬虫類の飼育環境はなるべく清潔を保ち、メンテナンスの前後は必ず手を洗うようにしてください。
メンテナンス器具もこまめに消毒をし、不衛生な状態での使い回しは避けましょう。

